「将来の働き方、今のままで大丈夫かな……」
ふとした瞬間に、そんな不安がよぎることはありませんか? 毎日まじめに働いているのに収入はなかなか上がらず、働く場所も時間も会社に決められている。今の生活に大きな不満はなくても、「この先の伸びしろ」が見えにくいと感じている方は少なくないと思います。
私も長い間そうでした。接客、派遣、一般事務と働いてきて、40歳で未経験からITエンジニアに転職し、今はフリーランスとして働いています。この記事は「会社を辞めよう」という話ではありません。自分で働き方を選べる状態をつくるには何が必要か、私の経験をもとにお話しします。
CONTENTS目次
「今のまま」に感じるモヤモヤの正体
会社員として働くことには、安定という大きなメリットがあります。その一方で、こんな悩みを抱えやすいのも事実です。
- 収入が上がりにくい(評価や昇給に時間がかかる)
- 働く場所と時間が固定されている(出社・定時に縛られやすい)
- 仕事を選びにくい(配属や案件を自分で決めにくい)
- 将来が少し不安(この先の伸びしろが見えにくい)
これらに共通するのは、「自分で選べる範囲が狭い」ということ。モヤモヤの正体は、不満そのものよりも「選択肢の少なさ」にあるのかもしれません。
派遣や契約社員として働いていたころの私は、毎朝渋滞の中を車で出勤し、好きでもない制服や作業着に着替えるところから一日が始まっていました。朝が早くていつも眠い。そして何より、どれだけ頑張っても給料が上がらない。「今日も同じ一日を繰り返すだけ」という感覚が、じわじわと自信を削っていきました。
スキルがそのまま「選択肢」になる仕事
ITエンジニアという仕事の大きな特徴は、身につけたスキルがそのまま「働き方の選択肢」になることです。会社員として働き続けることも、転職して環境を変えることも、経験を積んでフリーランスになることも、自分で選べます。
私自身の働き方は、こう変わってきました。
| 時期 | 働き方 | 収入 |
|---|---|---|
| 派遣・契約社員 | 車で通勤、制服・作業着。時間も場所も会社が決める | 頑張っても上がらない |
| 一般事務・法律事務所 | オフィスカジュアルになり服装はマシに。出社・定時は変わらず | 5年間ほぼ横ばい |
| Web制作会社(正社員) | 服装自由、デスクワーク。体は楽になった | 少し上がった程度 |
| フリーランス(現在) | フルリモート・フルフレックス。休みも自分で決められる | 正社員時代の約2倍 |
表にすると分かりやすいのですが、職場を変えるだけでは「服装」や「体の楽さ」は変わっても、収入と自由度はほとんど変わりませんでした。大きく変わったのは、エンジニアとしてスキルを身につけ、実務経験を積んでからです。今は趣味の魚釣りにも、平日の空いた日に行けるようになりました。
もちろん、フリーランスは実力がそのまま結果に反映される働き方なので、誰にでもすぐにおすすめできるものではありません。大切なのは、「会社員を続ける」「フリーランスになる」を自分で選べる状態になっておくことです。
いきなり辞めなくていい:会社員のまま始める3ステップ
「選べる状態」をつくるために、会社を辞める必要はありません。私がたどった道を振り返ると、次の3ステップに整理できます。
ステップ1:会社員のまま、基礎を学ぶ
HTML/CSS、JavaScript、Webが動く仕組みといった基礎は、平日の夜と週末で十分に学び始められます。私も最初は働きながら独学で始めました。
ただ、正直に言うと、独学だけでは「仕事にできるレベル」まで届く実感が持てませんでした。何が分からないのかが分からず、合っているのかどうかも判断できない。そこで私はハローワークの職業訓練に切り替えて、腰を据えて学び直すことにしました。学び方は人それぞれですが、「一人で抱え込まない環境」を早めに用意することが、遠回りを減らすコツだと思います。
ステップ2:小さく作って、見せる
学んだことを形にして、人に見せられる状態にします。私が最初に作ったのは、自分のポートフォリオサイトでした。派手なものでなくて構いません。「自分で作れる」ことを証明できるものが一つあるだけで、転職活動の土俵に立てます。
ステップ3:「転職する/しない」を自分で選ぶ
基礎と成果物がそろったら、はじめて「転職するかどうか」を考えます。私が転職を決めたきっかけは、とてもシンプルでした。「このままだと、ずっと収入が上がらない」と気づいたからです。
40歳・未経験での転職活動は簡単ではなく、20社ほど応募してようやくWeb制作会社から内定をもらいました。そこで約1年半の実務経験を積んだことが、その後のフリーランスという選択肢につながっています。この転職活動の中身は、40歳でITエンジニアになった私の話に詳しく書いています。
転職はゴールではなく、選択肢を増やす通過点
未経験から正社員のエンジニアになり、実務経験を積む。そこまで来ると、「このまま会社で経験を深める」「別の会社に移る」「フリーランスとして独立する」といった選択肢が、現実的なものとして目の前に並びます。転職そのものがゴールなのではなく、選べる未来を増やすための通過点だと、今は感じています。
ただし、良いことばかりではありません。フリーランスになった当初は、以前から付き合いのあった会社から仕事をいただいていましたが、その案件が終わると次が続かない時期もありました。収入の波や、自分で仕事を取りに行く不安は、会社員のころにはなかったものです。
今は、営業をしなくても毎月固定で報酬をいただける契約で働けるようになり、気持ちにかなり余裕ができました。働く時間と場所を自分で決められること、心に余裕が持てること。そして最近は、AIの普及で作業効率が大きく上がり、以前なら手が出なかった単価の高い案件にも取り組めるようになっています。こうした変化はすべて、「選べる状態」になってから起きたことです。
フリーランスという働き方について、もう少し詳しく知りたい方は理想のフリーランスの働き方もあわせてどうぞ。
まとめ:数年後に「選べる自分」でいるために
- 会社員のモヤモヤの正体は、不満そのものより「選べる範囲の狭さ」にある
- ITエンジニアは、スキルがそのまま働き方の選択肢になる仕事
- いきなり辞めなくていい。会社員のまま「基礎を学ぶ → 小さく作る → 選ぶ」の順で進める
- 独学で手応えがなければ、早めに「一人で抱え込まない環境」を用意する
私が選択肢を増やせたのは、特別な才能があったからではなく、「このままではダメだ」と認めて、学ぶ環境に飛び込んだからでした。数年後に選べる未来をつくるための第一歩は、今日のスキルアップから始まります。



